2019年9月30日月曜日

「ファニーフェイス・ジュエリー」閉会御礼

2019年9月23日~29日 まで開催していましたBOCCAの展覧会「ファニーフェイス・ジュエリー」無事に7日間の会期を終了いたしました。

ご来廊くださった方々、SNSで応援して下さった方々、同時代ギャラリースタッフの方々、紙媒体のデザインをしてくださったponeさん、什器を制作して下さったアトリエ箱庭さん、チラシを快く設置して下さったお店の方々など・・皆さまのご協力のもと充実した展覧会となりましたことを、厚く御礼申し上げます。

BOCCAのジュエリーは、一点ずつ手作業で作ります。
ギャラリーに並んだ作品は、280点という作品数となりました。
それでもジュエリーという小さなオブジェは、その数を感じさせないほど細やかなものです。
小さければ小さいほど、難しい部分もあり、時間も必要で、
果たして私は会場を充実させられるのか、不安に駆られながらの準備でした。

今回、スモーキーで甘い色味の南洋真珠の魅力を引き出したジュエリーを
新しいラインとして加えました。
展覧会も5回目となり、そのたびに新たなシリーズが加わり
全体像としてのBOCCAがひとつの輪郭をもって
立ち現れたという印象を持ちました。
制作者は常に次の一歩を考えますが、今回、ご来廊下さった方々とのコミュニケーションの中で、定番作品からも色々と教えられることがあり、
ようやく作品が制作者を離れ、ひとつの空気を創り出せるようになってきたのだな、
と感じました。
 
ジュエリーという、生きていく上で無くても何も困らないオブジェ。
それでも紀元前3000年の昔から人はそれを必要としてきたという不思議。
ジュエリーを身に着けるというのは
人が人である、という事の少し可笑しみを内包した存在証明のような気がします。
そんな存在証明はやはり人の息遣いが感じられるものでありたいと願っています。

長い準備期間と流星のように過ぎ去る展示の時間を終え、
新たな創作意欲が生まれる良き展覧会になったことを
心より感謝いたします。ありがとうございました。
                    2019年9月30日
                   Laboratorio di incisione BOCCA















2019年9月18日水曜日

「ファニーフェイス・ジュエリー」展示作品のご案内*BOCCAのアイコンジュエリー

「ファニーフェイス・ジュエリー」
 9月23日~29日 12時~19時(最終日は17時)
 同時代ギャラリー/gallery shop collage
    京都市中京区三条通御幸町角 1928ビル 2階






ジュエリーにはいろんな意味があります。
結婚指輪や親から譲り受けた宝飾品などは、約束や身分を表わす存在。
お悔みの気持ち、喜びの気持ち、それをジュエリーで表すこともできます。
洋服に合わせて着けるジュエリーもあれば、
ジュエリーのために一着の服を選ぶ時もある。

BOCCAが作る1684年の結婚誓約書を封じ込めたペンダントと
ルネサンス絵画の人物を立体におこしたバロック真珠のペンダント。
どちらも現代ジュエリーでありながらも、気配としてはクラッシック。
このジュエリーを身に着ける時、どのような意味を
見出されておられるのでしょう。
ある人は「このペンダントをしていたら今日の私は大丈夫」
というおまじないのような存在に、
またある人は愛する妻への贈り物として選んで頂きました。

私は珊瑚・古文書・水晶・真珠・貴石という幼い頃より
美しいと思う品をSilverで留め、ジュエリーという身に着けるオブジェとして
融合できる喜びに溢れながら制作しています。
そこには、意味はなく、
ただ美しいものを創り出せるという静かな興奮が存在しているように感じます。

出来上がったペンダントは、私にとっては
母と行く旅路に寄り添い、友人の出版記念を一緒に祝い、
家族や私個人の愉しみの中で色んな意味を纏っていく、そんな存在です。

「ファニーフェイス・ジュエリー」展示作品のご紹介 *スタンダードモチーフと私

 
    「ファニーフェイス・ジュエリー」
   9月23日~29日 12時~19時(最終日は17時) 
   同時代ギャラリー/gallery shop collage
            京都市中京区三条通御幸町角 1928ビル2階                







星、音符、リンゴ、檸檬、洋ナシ、アルファベット、チューリップ、熊・・
誰もが言葉を聞いたら描けるスタンダードな図柄。
いつの時代も繰り返しデザインとして使われ、愛される永遠のモチーフ。
しかし、100人いたら100とおりの星があるように、
自分だけの、自分らしいスタンダードモチーフを形にするのは
基本的な自分の嗜好を改めて見つめなおす作業でした。

BOCCAは立体感のあるまろやかな曲線が好き。
一方で、カリッとしたシャープな質感と軽やかな自由さも好き。

相反する二つの個性を、愛して止まないトランプモチーフで表現したのが
スタッズとフックの二つのピアス。

スタッズピアスは5㎜四方の中に立体的にトランプ柄をデザインし、
あらゆる角度から見ても光を反射する
スパイシーな胡椒のようなピアス。

フックピアスは薄く、着け心地が軽やか。
まさにトランプのカードのよう。
こちらは次第に渋い色味となり、デザインの軽やかさとのギャップも
味わって頂けたら、と思います。
このピアスは、古いグラスマーカーから着想しました。
出来る限り軽やかに、年月を経ても美しいフォルム、
いにしえのデザイナーのセンスを受け継いだデザインです。

:トランプ柄 スタッズピアス
素材/ K10Yellow Gold

:トランプ柄 フックピアス
素材/ Silver925









「ファニーフェイス・ジュエリー」展示作品のご紹介 *南洋真珠とわたし

 「ファニーフェイス・ジュエリー」
  9月23日~29日 12時~19時 最終日は17時まで
  同時代ギャラリー/ gallery shop collage
        京都市中京区三条通御幸町角 1928ビル2階

指輪のアームはBOCCAのスタンダードデザインである
古代宝飾をモダンにしたシリーズ。
僅かなふくらみや節が有機的。
 
煙るような、朝霧に似た南洋真珠の輝きに魅せられたのは今から三年前。
それまで、南洋真珠は年配の貴婦人がたっぷりしたブラウスの
胸元から堂々と輝かせる迫力のあるジュエリーと思っていました。
黒々と、あるいは熟したプラム色、水鳥の羽の色、とその表情豊かな
一筋縄ではいかない存在感に、遠い憧れを持って眺めていました。

ある真珠商社で、柔らかなマスカット色の真珠を見た時、
この色なら身に着けられるかもしれない、と2粒だけ購入、
耳朶に沿うSILVERのフックピアスに仕立てて身に着けてみました。
柔らかな光が横顔を明るくしながらも、
ホワイトやピンクの珠とはまたひと味ちがう
複雑さを内包した遊び心を感じ、大人の女性がなぜ南洋真珠を好むのか、
やっとその一端に触れた気がしました。

その後、グレイの中に薄く紫の花びらが被ったような
少し濃い目の南洋真珠に出会いました。
グレイの真珠にSILVERというクールな選択もありましたが、
肌に馴染むK10YellowGoldでピアスに仕立てました。
控え目な色のGOLDとグレイ、この素晴らしい組み合わせ。
思わずため息の出る一品になりました。

それから3年、真珠商社で少しづつ集めてきた南洋真珠たち。
天然の真珠には若干の窪みやスレもあります。
出来る限り照りが美しく、ペアにもなる粒を探してきました。

重厚なカーテンが引かれた部屋というよりも、
毎朝、リネンのカーテンをサッと開け、新鮮な空気を胸に吸い込むような空気感の
南洋真珠のジュエリーを作りたい、そんな思いで制作しました。

毎朝手に取る喜び、静かな明るさのあるピアス。

ペンダントにはシルクコードをお付けします。
少し長めに、またはチョーカーのように、少しペンダントのセオリーを崩すと
そこに新しい表情が生まれます。
また、お手持ちの細手チェーンにも通して頂けます。






:南洋真珠の指輪
  細いアーム・・① 素材/Silver925 ロジウムメッキ
         size 12.5号 
② 素材/ K10Yellow Gold
                    size 12.5号  

太いアーム・・素材/Silver925 ロジウムメッキ
                      size 12.5号   


:南洋真珠のピアス
       ① 素材/ Silver925 ニッケルフリーロジウムメッキ
       
  
② 素材/ K10Yellow Gold
       


:南洋真珠のペンダント
① 素材/Silver925 ロジウムメッキ


② 素材/ K10Yellow Gold


*
南洋真珠を使った品は、Silverにロジウムメッキを施しております。
ロジウムアレルギーがある方はSilver素地の品も承りますのでご相談ください。





2019年9月5日木曜日

9月の彫金教室

2019年 9月の教室は 8日(日曜日)となっております。
すでに満席となっており参加はできないのですが、ご見学は随時可能です。
ご興味のある方は、お気軽にお越しください。

*アトリエ箱庭
 北浜駅 徒歩4分 豊島ビル301号室

 13時~18時