2017年12月30日土曜日

2017年の幕引きによせて。そして1月の彫金教室のお知らせ。

去年に引き続き、一年は翼が生えたかのように飛び去ろうとしています。
アトリエに籠る日々が多い出不精な私は、今年は映画館に通うことで少しは
外の空気を吸った一年でした。
京都シネマというミニシアターが3つある映画館が居心地よく、春から心して通うようになった今年、映画を通じて新しい世界や価値観に触れたり、街に出かけた勢いでギャラリーや買い物にでかけたりすることで、リフレッシュしたり、良いものと出会ったりと
上手に息抜きをする術を手に入れた気がします。

映画に関しては、イタリア映画「神様の思し召し」が心に残りました。
凄腕で自信家の外科医と元不良の牧師が織りなすドラマですが、
街外れの丘で木から落ちるリンゴをみながら「生きているのではなく生かされているのだ」という牧師の言葉に心が救われたのは主人公の外科医だけでなく私も一緒でした。
一生懸命生きなくちゃ、頑張って前を向かなきゃ、と思えば思うほど苦しくなる時があります。自分の力ではどうにもならないこと、悩んでも仕方ないことでも、クヨクヨしたり
投げやりになったり。生きなくちゃ・・・と思うのは大切だけど、それ以上に自分は生かされているのだ、という感覚に力が抜けて楽になりました。
映画の外科医と同じく、私も自分の力を過信してしまう傾向があり、人になかなか任せられない部分があったり。それは自分で仕掛けた罠に自分で嵌っている状態。
その罠に気づかせてくれたこの映画は笑いながらジーンとくる偉大な作品でした。

「ジェック ドゥミの少年期」も素晴らしかった・・・!
病により死期が近づいている映画監督ドゥミの映画人生を妻の映画監督ウ"ァルダが撮った作品。「ロシュフォールの恋人たち」「シェルブールの雨傘」など娯楽性豊かでしかもどこか刹那的なドゥミ作品の謎が明かされます。フランス西海岸のナントという町で育った彼は、公園の小屋で演じられる人形劇に夢中になって、自分でも人形や小さな舞台を作って演じることから始まり、コマ撮りのミニフィルムを作る創造性に溢れた少年時代を過ごします。しかし戦争が始まり疎開したり爆撃を受けたり生きるだけで精一杯の思春期、戦争が終わると大人になることを求められ職業訓練校に通いながらも屋根裏部屋で映画を作り続ける日々。そこには父親との葛藤、小さな町から巣立てない苛立ちや絶望があり、
青年期の苦悩に満ちた生活が綴られていきます。そしてそこに訪れた小さなチャンス・・・いつも母親が彼の才能を信じてそっと後押しをする姿にも胸が熱くなります。

これは制作系を志した人なら思い当たる経験が沢山つまった映画ではないでしょうか。
子供時代は思う存分クリエイトして、またそれが大人を含めた周りの人を喜ばせたり驚かせたりする・・・それがだんだん大人になるにつれ生活の糧になるかどうか、という物差しで測られてくる。美大生の頃は徹夜で制作したら「熱心な学生」と言われるのに、仕事を他に持つと徹夜で制作していることは隠さなくてはならない・・
ドゥミは親や世間から評価されず、明るい少年が陰鬱な青年に変わっていくけれど、
映画に対する愛と情熱は失わなかった。
自分だけが知っている自分の世界、可能性。それはだれにも支配されたくはない。
才能の世界では、究極のところは他者との比較ではなくて絶対評価。だからいつも孤独と不安と自由がある。運と才能があれば世間に認められて、仕事となって続けていけるけれども、生きていく以上、何らかの方法で凌いで続けていくしかない。
色鮮やかな夢のようなドゥミの映画は砂糖菓子のようにホロホロと脆い多幸感に包まれている。この楽しすぎて哀しくなる彼の世界観がこの作品を観て初めて腑に落ちた、そんな映画でした。

2018年はどんな映画に出会えるでしょうか。
映画館という特別な場所で過ごす時間を大切にしたいと思います。

さて、2018年の彫金教室ですが、1月は第三週の20日スタートとなります。
今年もみなさんとご一緒に作る喜びを味わえる、そんな教室にしたいと思っております。
彫金にご興味のある方は見学もできますので、ぜひお立ち寄りください。





2017年11月30日木曜日

カモン!集中力

目の前にある仕事を丁寧に集中して行うと
どんなことも楽しくなりますよね。たとえブラインドの羽掃除でも。
問題は集中して丁寧にするぞ、という心意気です。

彫金も一緒で
この形、このボリュームで絶対に作品にするぞ!という心意気がなければ
あれれ?なんでこんな形になったの?という作品になります。
集中力はどこからやってくるのか、雑念を振り払い没頭するには?
と試行錯誤するのはアスリートとも同じかな。
同じことに飽きたら、少し違う作業を入れてみる。
私の場合は、バーナーワークで火を使うと
集中力が復活します(*^^)v
作りたいもの、次の課題がバラバラにある時こそ
落ち着いてカードに書き出してみる・・・

問題は彫金をしながら
あー、庭のクリスマスローズの苗を放置してあるな、植えなきゃ・・・とか
晩御飯の支度時間を逆算したりとか、聴きたいCDを検索したりとか
レザーでカードケースを作りたいとか
集中と真逆の案件が頭をかすめる時。
これは全然、集中できていない証拠。
一日の時間が足りない。
時間を有効に使うにはやはり早起きしかないのか・・・・

12月の彫金教室のお知らせ 

いよいよ師走です。
街はクリスマスだ年末だ大掃除だと責め立ててきますが(誤)
彫金教室は今月もゆったりと進めて参りたいと思います!

通常と同じく 第一、第三土曜日を予定しております。
12月2日、16日です。

素敵な箱庭さんの空間で集中する時間は、忙しい中にポカリと空いたエアポケットかもしれません。ご興味のある方はぜひお越しください。


2017年11月22日水曜日

具体的にどうお洒落をするか

お洒落について、概念的に考えるより、じゃあ自分、どうしてる?のお話。

私の場合は、ジュエリーの映えるお洒落が命題であり落とし穴でもある。
誰に頼まれた訳でもないのに、ジュエリーありきで組み立てている。
だから、柄物の服は少ない。
襟はやや空き気味。
色もダーク、または単色。

そこにキラキラしくないBOCCAのジュエリーである。
シブい。(シブすぎる)

アンティーク・他のブランドのジュエリー・エスニックな民芸調のものなども組合わす。
イオッセリアーニやカレン族のシルバーやビーズも好き。

靴下、巻物、は柄や色がビビットなものもOK。

カバンは黒。
リュックとトートの2WAYバッグにイギリス製の小さなレザーバッグ、もしくは
エルベ・シャプリエのエナメルトート。
哀しいほど荷物持ちなので、鞄は黒で統一して二個持ちである。

スタンダードなベースと変化が許されるもののアイテムを決めておくと
迷いが減る。(決してナイとは言えない)

殆どTUKIさんのエッジが利いたパンツスタイルなのだけど、
最近、スカートも気になる。

靴が難題で、スニーカーと紐革靴が多いけれど、華奢なパンプスは
履いていて楽しい・・・(けど、歩けないのがつらい)

季節が変わると帽子が欲しくなる病気になる。
実は、キャメルの帽子でニット帽とボルサリーノの中間みたいなのを一目ぼれして
買ったのだが、黒も欲しくてたまらない。

さあ、どうするよ?




2017年11月20日月曜日

お洒落について

お洒落はつくづくエネルギーの要るものだと思う。

何をもってお洒落というのか、その定義は人の数だけ存在すると思うけど、
「もうお洒落なんて降りた」と思ったらお洒落ではなくなる。
特に、年齢を経て、外見が変化し始めたら昨日似合っていたものが似合わなくなる。
常に軌道修正しながら前に進む力が必要になる。

私は20代のころからアンティークジュエリーが好きだったけれども、
今、それを昔のようには着けられない。
ただの「物持ちの良い人」になってしまうからだ。
黒のタートルネックにジーンズ、そこにアンティークのリングやペンダントが似合ったのは 肌も髪もツヤツヤだったからで、艶とアンティークが持つ末枯れた味わいのギャップが面白い効果を出していたのだ。人間に末枯れた味わいが出てきたら、マッチしすぎてしまう。

自分自身を好きでいなければお洒落はできない。
社会のために身だしなみを整えるのは、マナーだ。

恋をしたときは自分を最大限に魅力的に見せたいと思うので、雑念なくお洒落になれる。
また職場やPTAで、お洒落な仲間がいると、情報交換やお洒落番長の張り合いで
自然とお洒落な人になる。
どちらも、エネルギーに満ちた人の成せる技だ。

私が自分のために、そして美のためにお洒落をする人といって一番最初に頭に浮かぶのは
ピアニストのフジコ・ヘミングさん。
今から15年くらい前になるNHKのドキュメンタリーで見せた彼女のお洒落は独特の格好良さがあった。長い海外生活にピリオドを打ち、名声を得る事もなく、細々とピアノ教師をしながら演奏活動をしていた時代の彼女だ。ボヘミアン的で、でも上質のバランスを持つ誰にも真似のできないお洒落。帽子の横に揺れる長いシャラシャラと音のなるエスニックテイストの飾りは、アルフォンス・ミュシャが描く女性の物に似ていた。
ピアニストで戦前にヨーロッパに留学していたお母さんの作った彫金のジュエリーを
大切に身に着けるフジコ。大きなアゲハチョウの羽に透かしが入った素敵な作品だった。
(あの時代、自宅で趣味で彫金をするピアニストというのも凄いが。)
私の究極の憧れはあのあたりにあるのかも、と思う。
今の私はまだ、なんとなく流行を意識してしまうし、年齢を味方につけていない。
吹っ切れていないし、迷いもある。

お洒落なんてしなくても人生は渡れる。
ジュエリーなんて持たなくても何も問題はない。
でも、どうせ生きるなら自分らしいスタイルを持ちたい。
軌道修正をかけながら、少しでも心地よく人生を歩みたい。
そう思えるのはエネルギーがある証なのだろう。
意識してミニマムなスタイルを貫くのもお洒落、デコラティブを選択するのもお洒落。
言い古された言葉だけども、やっぱりお洒落は生き方なんだと思う。






2017年11月9日木曜日

11月の彫金教室

11月は平常どうり 4日、18日を予定しております。
見学もできますので、ご興味のあるかたは是非お気軽にお越しください。

アトリエ箱庭さんの窓からは、広い空と川沿いのゆったりした景色を見ることができます。高麗橋のたもとに大きな銀杏の木があり、もうすぐ黄金色に輝きます。
アトリエ箱庭さんで個展をしたのはもう5年前のこの時期。
この銀杏の木の下に来ると、フワリと明るい黄色が夜空を染めて
明るい孤独を感じます。
落ち葉を踏みながら、厚いコートの襟を立てて歩くこの季節、いろんな人を思い出す季節でもあります。
さて、冬支度をはじめようかな。
箱庭さんと同じビルには素敵な工房が入っています。
3階の奥にあるニットアトリエ「チマチマ」さんでミトンを購入しました。
ラトビアの伝統的な形のミトンだそう。
エンブレムっぽいのがBOCCAらしくて一目ぼれ。
寒くなるのが待ち遠しい!



2017年10月31日火曜日

Mostora di BOCCA ~フォルムを愉しむジュエリー展 閉会御礼

 Mostora di "BOCCA" フォルムを愉しむジュエリー 展が閉会いたしました。
DMを置いてくださったお店の方々、会期前からTwitterで拡散・♥をしてくださった方々、
お忙しい中ご来廊くださった方々、偶然お越し下さりご観覧くださった方々・・沢山のご厚意に囲まれて、良い展覧会になりましたことを厚く御礼申し上げます。

私は様々なタイプのジュエリーを制作しますが、今回は主にフォルムに特徴のある品を揃えました。
旅先で見た教会のファザードや庭に繁る草や木からデザインしたものは、いわば具象的なスケッチ要素か強い作品でその対象物についての愛を存分に語らせていただきました。
もっと感覚的な抽象的なデザインのものは、触り心地、着け心地なども踏まえ、やはり熱く語らせていただきました。
BOCCAの作品について、語ることのできる機会はやはり展覧会だけなので、貴重なお時間を割いていただき、感謝の気持ちで一杯です。
また、お越しくださった方同士が初対面でも楽しく語らっていただけたのには、本当に有難く幸せなことでした。
そのような皆さまのお力を頂戴し、励まされ、次回の展覧会に向け、心が動き出しました。


会場となった Mole & Hosoi CoffeesさんがオーナーのMole Galleryは
その空間自体が心躍るものでした。
Mole & Hosoi Coffeesさんの扉は金庫室の鉄製扉で、その隣の通路のようなギャラリーにも
壁の上の方に金庫扉があります。
この仕組みは一体何なのか、色々と謎めいた空間でした。
ちょうど「生きた建築ミュージアムフェスティバル」という大阪の建物をめぐる祭りが開催中だったので、建築ファンも見に来られました。
台風に見舞われた3日目、人懐こい笑顔の年配の男性がギャラリーを覗かれました。
その方は、芝川ビルにも出入りしていたお茶屋さんで、丁稚時代、よくこのビルにお茶を届けられたそうで、色々と当時の様子をお聞きすることができました。
地階はオーナーの芝川さんがお住まいで、よく御寮さん(関西の商家の奥さん)にお届けした、この通路とこの扉は繋がっていた・・など古い時代のお話を伺うことができました。私としては、ジュエリーの展覧会だけでなく、そのような出会いも心楽しい3日間でした。

この展覧会で出会ったBOCCAのジュエリーが 皆さまの毎日に末永く寄り添い、楽しんでいただけたら幸いです。
ありがとうございました。



 










2017年10月24日火曜日

Mostora di "BOCCA"oct,2017 [フォルムを愉しむジュエリー] 作品のご紹介

27日より開催する展覧会の作品をご紹介いたします。Part1は新作の指輪。
今回は環になっていない、指の間からモチーフがのぞくタイプがあります。
コンテンポラリーな匂いがありますが、実は紀元前の時代からこのタイプのデザインは
存在しています。
指の骨に直接乗らないので、着け心地もよく、他の指輪との重ね着けをしたときにも
軽やかな抜け感を楽しめます。







煉瓦の隙間から顔を覗かしたワイヤープランツをモチーフにした指輪。
一本では3つのドットが指の間から雫のように輝き、2~4本重ねると
自然な雰囲気の中にも凝った印象のアーティスティックな指輪になります。

"piante"
Size #7~13
Silver925・・¥6,000     K10WG・・¥28,000     K14YG・・¥32,000














:人差し指の指輪:
わずかな窪みのある二つの楕円モチーフの指輪。
雨上がりの草原を歩くと空を映す二つの水たまりに出会いました。

"duo"
Size #13.5
Silver925・・¥22,000













人差し指の指輪:

愛おしくてコレクションしてしまう立方体の紙箱。
展開したとき、緩やかな曲線を描く蓋の耳にもときめく。
紙箱の柔らかさを硬質なシルバーに。

"scatola"
Size#14
Silver925・・¥22,000














:中指の指輪:
指に沿う柔らかい丸み、サイドはメロディアスな曲線。
歌声の聞こえる広場をイメージした指輪。

"piazza"
Size #15
Silver925・・¥22,000












                                                   


庭に二本、屋根まで枝を伸ばしたユーカリがあります。
一葉、一葉、揺れるハート型の葉はいつかジュエリーにしたいと願ってきました。
柔らかなフォルムと薄いのに肉厚に感じるユーカリ葉の秘密を
忠実に写したペンダントです。

"ユーカリ葉ペンダント"

S)   Silver925・・¥10,000 / K10YG・・¥22,000
M)    Silver925・・¥13,000 / K10YG・・¥32,000
L)   Silver925・・¥18,000  /  K10YG・・¥38,000


BOCCAのペンダントにはシルク100%のコードがつきます。
コードはロングの場合は結んで、ショートの場合はフックをつけてご使用いただけます。
付属のフックはシルバーとシルバー下地にK14GPをご用意しました。

コードの色は ネイビー、フューシャピンク、黒、ボルドー、フォレストグリーン
ピーコックグリーン、レッド、オイスターグレーの8色から選んでください。
また、500円/mで別売りもいたします。

















                                                                        











2017年10月6日金曜日

10月の彫金教室

10月は第一(7日)、第三土曜日(21日)13時~18時を予定しております。
見学も可能ですので、お気軽にアトリエ箱庭までお越しください。

10/7~9まで、京都市のみやこメッセで「石ふじぎ大発見展」が開催されます。
鉱物ファン、ルース(裸石)ファン、化石ファンが集まる催しです。
一般の人も入場無料で入れます。
業者向けの買い付けとは違う、ほのぼのとした、雰囲気が魅力です。
益富地学会館が主催なので学術的にも面白く、私は好きな展示会です。
平安神宮のある岡崎公園内、10月の連休を楽しまれてはいかがでしょうか。

2017年9月1日金曜日

9月の彫金教室のおしらせ

9月の彫金教室は第一、第三土曜日を予定しております。
2日、16日になります。13時から18時まで、アトリエ箱庭さんにて開講しておりますので
ご興味のある方はぜひ見学もできますのでお気軽にお越しください。

レースワックスで作った生徒さんの作品をご紹介します。
レースを液体のワックスに漬け込み鋳造するこの技法は、柔らかい糸の質感を金属に置き換える面白さや、凝ったレース模様がそのままジュエリーになるというときめきがあるので、この技法を使って作家活動をされている方もよく見かけます。
仕上がりも美しく、完成度も高いです。
難点は鋳造に確実性が普通の鋳造より少し劣ることです。
教室では、私が液体ワックスを調合し、素材を損なわず、しかも確実に鋳造可能となるように指導しております。(が、多少は賭博性はあります)

ひと昔前は、バングルは夏のアイテムでしたが、今はオールシーズンですね。
秋、サラリとしたコートの袖をクシャクシャと折って、ボリュームのあるバングルを着けると服のボリュームにアクセントがついて素敵です。
自分だけのボリュームのジェリーを作る喜びは格別ですよ!






2017年8月4日金曜日

8月の彫金教室のお知らせ

8月は通常どうり第一、第三土曜日に開講いたします。
見学もできますのでご興味のある方はぜひ、お気軽にお立ち寄りください。
13時から18時まで アトリエ箱庭にて。

2017年6月30日金曜日

7月の彫金教室のお知らせ 「技を極める~ヴァンクリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」

7月の彫金教室は第一、第三土曜日を予定しております。
1日、15日になります。
見学もできますので、ご興味のある方はぜひお越しください。

いよいよ7月、夏ですね~。
気持ちはバカンスでしょうか?
夏に向けて、生徒さんのバングルが続々と仕上がってきました。
長い時間をかけて原型を作った作品、素敵なレースをかたどって作った作品・・また仕上がったら
ご紹介させていただきます(^O^)/

さて、先日 京都国立近代美術館で開催されている
「技を極める~ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」という展覧会に行ってきました。
今まで沢山のジュエリーの展覧会に行ってきましたが、この展覧会の素晴らしさは格別でした。
まず、もちろん技を極めたジュエリーコレクションの数々の美しさ・・そしてそれと呼応する明治期~現代の日本の工芸品の数々のコラボレーションが素晴らしい。

そして、ヴァンクリーフ&アーペルの石留め「ミステリーセッティング」(石枠を見せずに宝石をビッチリならべるこの工房の特許技法)と同様、作品だけをを浮かせているかの如く見せる展示方法、そして裏からもくまなく技を見られるようにしている配慮・・・と全てが完璧な展覧会。

会場で流されているヴァンクリの工房の映像も、ドキュメンタリー映画にして欲しい!と思う面白さ。(確かティファニーは映画にしましたよね)

宝飾や工芸品というジャンルに関わらず、人が渾身の力で作る最高の美しいもの、または完璧を目指す仕事の尊さを知る人はぜひご覧になって頂きたい展覧会。
この展覧会は一国一都市開催なので巡回展はありません。
でも このためだけに京都に足を延ばしても絶対に損はしないと思いますよ~。

8月6日まで。金土日は夜間も開催です!




2017年6月6日火曜日

ラヴェンターシロップの作り方・・・追記

昨日の何気なく呟いたラベンダーシロップのツイートがリツイート800件を超えて驚いた朝を迎えました。SNSを始めて5年あまり・・・初めての体験です。

やはりハーブやアロマに関心の高い層は厚いのだと実感いたしました。
ハーブがお好きな方にちょっとお役に立てたのであれば嬉しいかぎりです。

ここまで拡散したあとで追記というのも申し訳ないのですが追記です。
気軽に思い出しながらザックリ書いたものですから、もう少し詳しく記します。

*ポイントとして、花びらは花びらでしっかり分けてくださいね。
  コロンとしたガク部分は割と口に残ります。

*使ったラベンダーはイングリッシュ・ラベンダーです。

*私は厚手のル・クルーゼ鍋を使用しています。火加減は極弱火です。

*ガクと茎を熱湯でエキスを抽出する際は、グツグツ煮ず静かに置き、熱湯に入れた後10分ほど
  で引き上げて濾してください。苦味が出るかも、です。
   最後に加える花びらにも少し苦味の部分があります。しばらく煮たら、花びらは濾して
   液体だけにして煮詰めても使いやすいかと思います。そこはお好みです。

*砂糖の量は500gは少し多めかも知れません。300gからご自分で味見をしながら調節してくださ
     い。私は甘いものはガツンと甘くする派なので濃くでトロリとさせました。くれぐれも焦がさないよ
  うご注意ください。 

では、皆さま、美味しいシロップになりますようお祈り申し上げます(^O^)/


        

2017年6月5日月曜日

ラヴェンダーシロップの作り方

今年はカラリとした晴天続きだったためか、ラヴェンダーがぐんぐん伸びて大きな株に。
花穂も真っすぐ青空を目指して、水やりをしていても清々しい気持ち。
生のラヴェンダーに熱湯を注ぐハーブティーも薄いブルーが美しく、また口の中が
すっきりするのでお勧めです。

でも花の盛りは短いもの。
次回の彫金教室にはもうラヴェンダーティーは無理かも・・・と思いシロップを作りました。
要領は薔薇ジャムと同じ。

①ラヴェンダーを花から20センチほどの茎からカット。約100本
②よく洗いバットなどにあける。
③花が開いている部分を指で摘まみながら花びらとその他に分ける。
  その時、花は乾いていたほうが良いのでクッキングペーパーで花穂の水分を取ってから
  行うとよい。
④小鍋に熱湯700mlを沸かし、茎とガクを入れて湯が紫色になるまで抽出する。
⑤花びらに檸檬汁を少量ふりかけ揉んでおく。
⑥④を網で越しながらホーローの鍋に移し、500mlくらいまで煮詰める。
⑦⑥にグラニュー糖を500g加え煮詰める。
⑧⑥に⑤を加え15分ほど煮る。出来上がり量、約400ml

それはそれは濃いラヴェンダーの香りのシロップ。
無糖ヨーグルトに、アイスクリームに、たぶんパンやクッキーに混ぜても香りが残ると思います。
ご興味のある方はぜひ作って楽しんでください♪








2017年6月4日日曜日

7億円問題

京都駅の地下にいつも人が絶えない宝くじ売り場がある。
そこはとても当選率の高い売り場らしく、私も何回か購入している。
結果は・・・・(-"-)であるが、「ここで買った誰かが当たっているんだよね」と思うたびに
懲りずに購入している。

さて、今回は前後賞合わせて7億円である。
どのように使うか、誰に分けるか、利子を運用してもっと増やしてから使うか・・・
考え出すと7億はなかなかスケール感があって楽しい。夢だって1億より七倍の大きさだ。

さて、この話を先日の彫金教室のお茶の時間に振ってみた。
「仕事を辞めて、自給自足の生活にはいりますね~。野菜とか沢山作って、トラクターとかにのって」
「住む家があればいいです~。北浜に今建てているマンションが欲しくて!」
「誰か運営してくれる人を探して、劇場と稽古場がある気軽に演劇を見れるスペースを作る」
「今、売りに出ているヴォーリズ建築をそれをちゃんと直せる職人さんごと雇ってそれを貸し出す」
「動物愛護団体を作るかな」

皆、それぞれに納得する回答。
今のライフスタイルや考え方を発展させた使い道である。

さて、私はどうしよう。
緑豊かな庭のある平屋に、20畳くらいのアトリエがあってローラーや火まわりや地金を伸ばす機械
など充分な工具が揃っていて、一日使って500円くらいの施設にする。結局、彫金を身近に楽しめないのは道具立てが大変なのだ。
そして私のアトリエは同じくらいの広さだけど、天井まである小さな引き出しがびっしりある棚があって、そこを開けると金・銀の地金、石も種類別にびっしりと収められている・・なんて言うと
「先生、7億なんてあっという間に無くなりますよ!」と言われちゃった。
ほんと、そうかも・・・・


2017年5月30日火曜日

6月の彫金教室のご案内

6月、初夏になりますね。
一年はなんて早いのでしょう!クリスマスだ~と言っていたのがもう半年前になろうとしています!

6月の彫金教室は第一第三土曜日の 3日、17日を予定しています。
3日はレースから型をとった蜜蝋ワックスを実施します。
アイデア次第で、複雑な凝った模様が金属になる、そんな満足度の高い作品が作れるハズ。

だんだん蒸し暑くなってきて、身体が疲れやすくなる季節ですね。
今年は秋から育てたミント類がワサワサと茂って「モヒートにしてくれ~」と揺れていますw
モヒートも良いのですが、生ハーブティーも最高です。
ハーブティーはどちらかというと苦手だったのですが、
摘みたてのミント・カモミール・ラベンダーをポットに入れて熱湯を注ぐと
明るい若葉色のハーブティーに。香りの素晴らしさはさすがはフレッシュハーブ!
暑い時こそ暖かい飲み物が心地よいと思えるようになってきました。
健康は大事ですからね~。

            



2017年5月24日水曜日

東京散歩

私の自然好きは、東京の公園や神社が原体験になっている。
人が街を作り、その中の公園はその自然によって人を助けたり、または助けられたりしながら作る、ユートピアのようなもの。
それは本物の厳しさを内包した自然ではない。
あくまでも優しく、穏やかな風景だ。
しかし、原宿駅のホームに立つと、明治神宮の深い森から帯の様に冷たい風が流れ込み
鳥たちのさえずりが無数に聞こえると、自然の持つ力の恐れのようなものを感じるのだ。

東京に行くとひたすら歩く。
今回も朝9時に東京駅に降り立ち、六本木の新美術館へ。
教会壁画並みのスケールで描かれたミュシャの「スラヴ叙事詩」を鑑賞→青山のギャラリーやお店を見て食事→西荻窪に移動して素敵なbottega(工房付き店舗)のporto ponponeさんへ。夕方、幼い頃に遊んだ善福寺公園へ。池を中心に子供たちが虫取り網を持って走り回り、ボルゾイやヒマラヤンといった珍しいワンちゃんを散歩させている人たちを見て、昔と変わらない杉並の豊かさを感じた。夕方から大学時代の友人と食事をしてゆっくりお話しをして赤坂のホテルに戻ったのは23時。
朝5時に起きて出かけたので、たっぷり18時間出歩いたことになる。

普段、制作していると極端に出不精になっているのにこの落差!
東京は一歩出ると、史跡や湧水や公園がたくさんの坂道の間にあって
歩いても歩いても飽きることがない。そして、次々に現れる景色は遊園地のようだ。
東京に住んでいたら、きっと健康的に痩せられるだろうな・・といつも思う。
関西は歴史がもっと古く、京都・奈良・滋賀には千年の時を超えたものに出会えるけれども、
それらが点在しているから散歩するには無理があったり飽きがくるのだ。

東京の公園は枝を余り伐採しない。
都会であるがゆえの自然志向なのだろう。
関西の公園は手入れが行き届いていたり、枝は強剪定だ。
唯一、京都御所に原生林的なエリアがあるが、主には芝生と玉砂利。
関西人は割と落ち葉に厳しいように感じる。
深い森のような公園の魅力を求めて、私は東京で自然を探す。
それがたとえ虚構の自然であっても、たくましく美しいのだ。

善福寺公園(杉並区)

氷川神社(赤坂)



2017年5月5日金曜日

適当ということ。

工芸をしていて、一番のキモは「適当」ということじゃないかと思う。
よく彫金の先生は「そこ、絶妙な火加減で」とか「絶妙な力加減で」とか仰っていたけど、「適当」と「絶妙」はほぼ同義語かも知れない。

適した量で当たる・・・テキトーというといい加減っぽいし、いい加減、というのも
良い加減なわけなのに、いつの間にか「ほどらい、アバウト」みたいに変換されているのは不思議である。

適した量を見極めるのは実に難しい。
欠けた器を簡単な金継ぎをするときも、パテを盛りすぎてはやすり掛けが大変だったり仕上がりにさり気なさがなくなったり・・で良いことが一つもない。
米粒の五分の一をどうするか見極めるのがキモだったりする。

彫金教室で生徒さんにワックスを切断してもらうのも同様に難しい。
実線の外側にカットする線を引くのだけど、慎重になりすぎて大きく切ったら
あとの仕事量が増えて変な失敗を引き起こす。
かといってキワキワだったらうっかり鋸歯が食い込んで小さな作品になってしまう。
その人の性格を読み取って、「線が見えるように」「線の上を」と指示を出すのだけど、
適当な指示かどうかが難しい。

ピッタリの量、ピッタリの指示、ピッタリな贈り物、ピッタリな服装、ピッタリなメールの長さ、ピッタリな説教、ピッタリな運動、ピッタリな睡眠、・・・・工芸でも日常でもいかにピッタリ適当な場面の多いことか・・と思うGWです。

                  





2017年5月1日月曜日

5月の彫金教室のお知らせ。HPの教室案内開設について。

風薫る季節、ますます彫金にピッタリな季節になってきました。(謎)
HPに新たにBOCCA彫金教室というカテゴリーを開設しました。
今までどうりのレギュラーレッスンに加え、作品を作って一つの講座が完了するワークショップレッスンを増やしました。どうぞ、HPの方からご覧ください。

GWということで、5月もイレギュラーになっております。

*5月13日 土曜日
*5月28日 日曜日

の開講です。三週目は土曜日ではなく日曜日ですのでお間違えないように。
宜しくお願いいたします。



2017年4月3日月曜日

4月の彫金教室のお知らせ

4月は8日、22日に彫金教室を開講いたします。
レギュラーの第一、第三土曜日ではありませんのでお間違えの無いようお願いいたします。

レースや紐から型を取った銀のアクセサリーを見かけたことはありませんか?
生徒さんの希望があり、この春にその技法での制作も取り入れます。
8日はその技法のためのレクチャーをいたします。
アイデア次第で、様々なデザインに使え、かつ見栄えの良い作品になるのが、この技法の特徴といえます。
どのような作品が生まれるか、とても楽しみです。

2017年3月1日水曜日

三月の彫金教室のおしらせ

陽射しはすっかり春めいてきて、心が浮き立つ季節になってきました。
三月もアトリエ箱庭さんでの彫金教室は3月4日、18日の2回を予定しています。

アトリエ箱庭さんは中の島近くの川辺に建つ 豊島ビルの3階にあります。
1階、2階はスタイルクラフトという鞄の工房と事務所、3階は箱庭さん、のほか、ニットの工房、
アロマのお店、ブライダル関連のスタジオとなっています。

教室の時間も自由に出入りできますので、近所の素敵なお店や工房を覗いて
リフレッシュすることができます。

そこで、新たな制作のアイデアや、新しいモードやアンティークとの出会いなど
北浜ならではの時間の使い方ができます。

北浜・・・この街で彫金教室を開講できる幸せを感じながら
早くも3年めを迎えます。

土曜日のクラスはオリジナル作品をじっくりと制作しています。
道具を扱う体の使い方や、アイデアが作品になるまでの工程なども
全てを含めてお伝えできたら・・・と思っております。

ご興味のある方は、ぜひ一度 見学にいらしてください。



2017年2月5日日曜日

2月の彫金教室のお知らせと授業のお話

節分を過ぎ、陽射しが春めいてきました。
春の扉をもうそこに見えているのに、あと一歩・・・そう、受験生の方々やご家族は今が一番の踏ん張りどころでしょうか。

踏ん張りどころ、といえば彫金教室にもそんなところがありまして・・・
先日の教室でも、初めてハードワックスでの原型を作っておられる生徒さんが原型を磨いていると、目印につけたケガキの穴がなかなか消えない・・金属に鋳造する前にキチンと潰しておくのがセオリーなのですが「修正」というのが意外と難しい。針の穴なのに、それを埋める時に僅かな気泡が入ったり 上につけた溶かした余分なワックスを削るときに削りすぎたり、でイタチごっこになることも。
しかし金属になってからの修正の大変さを思うと、ここが踏ん張りどころ。
ルーペで見ながら4回のやり直しをしていただいて、美しい原型になりました。
やり直す→美しくなる→満足・・・と言葉にすると簡単ですが、実際は心が折れそうな場面もあります。でも、最終的に満足した品を作る喜びを感じてもらいたいと願うので、途中にアトリエ箱庭さんの美味しいお茶の時間を挟みつつ、和やかに真剣に教室の時間は流れていきます。

2月も第1、第3土曜日を予定しています。(13時~18時)
見学も受け付けておりますので、ご興味のある方はぜひ川べりの静かなアトリエにお越しください。

       



2017年1月4日水曜日

新春のお慶びを申し上げます。

2017年は穏やかな日和で幕開けしました。
旧年中、お世話になった方々、色々と心に留めて下さった方々に深く感謝するとともに、
皆さまにおいて良き一年でありますように。

北浜のアトリエ箱庭さんでの彫金教室は一月は7日、21日を予定しております。
じっくりと制作できる空間です。自分が思う「美しいもの」を求めて集中して作業する時間を
今年も引き続き、箱庭さんでご一緒できたら嬉しいです。
技術的なこと、デザイン的なことも個別対応して指導していきますので
ご興味のある方は まずは見学にいらしてください。体験レッスンも随時受付けております。

今年はBOCCAとしては じっくりと定番品に向き合おうと思います。
洗練された素朴さを求めて、美しいジュエリーを手にするときめきを求めて
制作に励みたいと思います。
どうぞ、本年もよろしくお願い申し上げます。