惑星を撮影した素晴らしい写真集「BEYOND」を見ていて ふいに郷愁にも似た感情をこの星に抱いた。
幼い頃から宇宙は私にとってはロマンではなかった。
深い井戸を覗きこむ 足のすくむ恐怖。
宇宙を考えるとき 私たちはどこからきて どこに消失するのか、という問題を避けては通れない。死に対する恐怖。生まれてきた神秘よりも消失の方が怖かったのだ。
時間という概念も 宇宙を前にすると芥子の花びらよりも頼りない。
本当はこれほど身近で誰もが意識して当たり前の宇宙について 日常的に語られるのは彗星が来る夜とか日食が見える日なのは 私と同じく畏敬の念や恐怖心を皆そこはかとなく抱いているからかも知れないと思う。
その中で見つけたカリスト。
遠い木星のかなた廻り続ける星に 親近感を抱くのは何故なんだろう?
誰も知らない異郷の街でであった親しみのある横顔のように、未だ見ぬ世界で3人いる自分と似た人に出会ったように。
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