2013年11月6日水曜日

フィレンツェへ・・・ギルランダイオの「最後の晩餐」

1984年に画家・有元利夫が亡くなり 回顧展が各地で開催された際、不勉強な美大生だった私は初めて ピエロ デラ フランチェスカという巨匠を知った。
有元氏はイタリアを旅して 彼とその時代の画家の描く壁画に出会い、デザイナーから画家に転身したのだった。

フレスコ画は顔料の乗り具合や油膜を張らない技法から 日本画を見ている私たちには近しく懐かしい感じがする。
しかし、画題自体はキリスト教の内容を字が読めない人に解るように描かれており
かなり生々しい。
それでも、そこに描かれる風景、鳥、花、人々の風俗に注目してみると クリスチャンでなくとも 愉しく、儚い人生の一幕劇を豊かに生きようという気持ちになる。
ローマでシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの天井画を見たときには あまりの肉弾戦に自分の中に消化できなかった。
ミケはさておき、ルネサンス中期までの画家が 私にとって心の通じ合う友のような存在だと気が付いたのは ここ数年のことである。ピエロ デラ フランチェスカはずっと気になっていたけれども、Webの発達していない時代には遥か遠い存在だった。
日本では余りメジャーではない画家の中に、私にとってのスーパースターが幾人もいる事を発見できたのも この時代ならではかも。

ギルランダイオの「最後の晩餐」はフィレンツェには2枚ある。行かれたら是非見て頂きたいのは オーニッサンティ教会の一枚。


元、食堂であった建物にその絵はある。 食堂に向かう回廊のも素晴らしいフレスコ画か描かれていて その優しい美しさは特別。


こちらは 回廊で屋根があるとはいえ 屋外の保存。この状態も美しいけれども保存も心配。中庭には いずれもシンボリックな樹があって こちらはオリーブ。


 
礼拝堂には あのボッティチェリも埋葬されている教会。
こちらは フラッシュを出さなければ写真撮影ができました。
静かにパイプオルガンの響く中、カメラはフラッシュだけでなく、調整のピピッという音やシャッター音も消すのがマナーだと感じました。

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