2013年11月9日土曜日

フィレンツェへ・・・小鳥のさえずりに目覚めた中庭

大きな教会には 修道院がついているものが多い。そこには修道士の部屋や食堂、中庭の回廊などにフレスコ画が残されており、静謐で敬虔な空気が流れている。
有名なサンマルコの修道院には フラ ・アンジェリコのたおやかな絵を沢山見ることが出来た。こちらは Nonフラッシュでも撮影不可。
優しい肩先、心溶かすバラ色の色彩、フワフワと揺れるような天使の花飾り・・・
至福の時間、フィレンツェに住んでいたら折に触れ彼の絵に会えるのね・・・羨ましい。

今回、色んな教会の中庭に訪れたけれども、特に印象深いのが サンタ・マリア・デル・カルミネ教会。
実は、フィレンツェ到着前に機中で急性中耳炎になり右耳の聴力が殆どなくなり、不安と不眠で午前中を一人、アパートで過ごした。アパートの世話をしてくださっている日本人のみき子さんに助けを求め、翌日耳鼻科の専門医に診て頂くことになった。

明け方からの激しい雨がシトシトに変わり、明日の受診の予定もたったので、近所の教会に散策に出た。
何を隠そう、私は晴れ女。
日本でも数々の天気予報を覆し、旅行やここ一番というときには晴天を勝ち取ってきた(?)のだ。
この日、小雨降るなかを、ゆっくりサン・スピリト広場に向かうと、幕が上がるように青空が見えてきた。


 
そのまま、マザッジョとマゾリーノの絵があるカルミネ教会へ。


一歩 中庭に足を踏み入れると、信じられない位の小鳥たちの鳴き声が私を包んだ。右耳が聴こえにくいのに、自分史上最高の無数の鳥の声・・・奇跡なのかと思った。小鳥の声はこんなに澄んでいて、歌うように聞こえるなんて、「小鳥に説教する聖フランチェスコ」という絵はまさにこの情景を描いているのだと思った。雨上がりを歌う小鳥たち、中庭にはハイジの家の裏にあるモミの木のような巨木が4本もあるのだ。

この教会は下町の額や家具、ジュエリー工房の並ぶ地区にある。
外観は無骨な茶色の石の教会である。
しかし、内部は 壮麗で甘い 香しい蘭の花のようだった。
そして!!!!ずっと会いたかったこの絵に遂に対面(泣き)
美しい鳥のさえずり、マゾリーノの壁画、美しいとしか表現できないものたちに囲まれて、泣きたいくらいの幸福な時間を過ごしました。
 

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