2013年11月16日土曜日

フィレンツェへ・・・ゆっくり歩いてのんびり話してpart1

普段、旅先に出かけても猛烈な勢いで歩き倒し、夜には足首が痛くなるのが常の私が、体調を崩したばかりにとてもノンビリと街を歩くことになった。
そして、それはとても良い出会いや思い出になった。
 
 
工房街にある美術書を扱う古本屋さんの女性はとってもチャーミングな人で、私の探しているジュエリーの本や好きな初期ルネサンスの本を探してくれた。好みを伝えるのは 本があるので表現しやすく、日本ではあまり紹介されていない画家の画集などを買うことが出来た。
 
 
ドゥオーモの裏手の古いパピエの店。こちらは多分この店の何代目かの若い男の子が接客していた。これは他の店でも同じだけれども、「Questo il regalo,per favore」~「これは贈り物でお願いします。」と言った瞬間から悠長な時間を過ごすことになる。日本の店員の梱包を見慣れている私たちからすると、なんで街に溢れかえるあの凄まじい彫刻や宝飾技術のある国民が小学生並みの包装しか出来ないのかがちょっと不思議であるくらいのレベルなのだ。(日本の折り紙の歴史は偉大である)最初はあまりにも時間がかかる事に焦れていた私だったけれども、逆にこれはその店員さんと触れ合う良い機会だと気が付いた。特に友人たちへのプレゼントを買ったこの店では、夕方でお客さんが他に居なかったこともあり、リボンの結び目を押さえたりしてお手伝いをすることに。フィレンツェの街の面白い場所や私の行きたかった蚤の市の情報などを教えて頂いたりして、楽しい梱包時間を過ごした。使う訳ないよな~~、と思って頭の片隅に放り込んでいた「Le do una mano?」(お手伝いしましょうか?)を使うとは!


お兄ちゃん、苦戦!!

アレッツォにピエロ デラ フランチェスカの壁画を見に行ったときは、ピエロの絵の他に この街が欧州最大の有名なアンティーク市の街であることに胸を躍らせていた。
しかしアンティーク市が開かれるのは第一土、日のみ。多くのアンティークショップや工房はガラス越しに素敵な品を見ながらドアに貼られた電話番号を見ながら電話で店主を呼び出すべきか逡巡することになる。店主はフェアに向けてメンテナンスや買い付けをしているらしい。そうだろうな、平日は静かな静かな中世の街だもん。

この広場でアンティーク市が開かれるらしい。
 


素敵なのに入れない(-"-)

そんな中、どーしても、どーしても、連絡をとりたい店に出会った。19世紀初めに流行った博物誌的なオブジェになったアンティークの品、しかもBOCCAのアイコンである珊瑚がいくつかビューローの上に置いてある店をガラス越しに見つけたのだ。
例によって電話番号のポストイットが一枚貼られている。とにかく、他の店も見て回る事にして、また例の店の通りに戻った。人気のない道をイタリア男性に多いスッキリした禿頭の人が歩いてきた。なんとなくピン!ときて、あの店のオーナーかというとSi!という。やったーーー!
おそらくランチに向かう筈の彼も私の気迫に押されて店に戻り、色々見せてくれた。

割とスッキリした店内
 


教会の聖具も多い。箔か塗りかも教えてくれる。
アンティークショップや市では 日本と同じくカードが切れない店が多い。現金をある程度持ってきていたが 欲しいものは際限なくあり 空腹の店主を待たせて厳選することになった。空腹を我慢しながら、年代、用途、出所、マテリアルを詳しく説明してくれる店主。その上、現金のみなのでかなりの値切りを交渉されて、あちゃちゃ・・という感じであったかもしれないが、そこはイタリア人、とてもフレンドリーな対応だった。というのも、私が彼の選ぶものが本当に好きだという気持ちが伝わったからではないかと思う。海外用に作った 珊瑚が入ったHPの名刺を見せて説明すると 同志的な気持ちになってくれたのかも知れない。
私は日本までの長い旅だからと 赤ちゃんの様に大切に梱包してくれたアンティークの品々を手に 非常に満ち足りた気持ちでアレッツォを後にした。
 
 
旅先で唯一出会った猫さん。

 



0 件のコメント:

コメントを投稿