2013年1月15日火曜日

名シーン・・・①

 
 
忘れられないシーンがある映画は幸せだと思う。「勝手にしやがれ」のジーン・セバークとジャン・ポール・ベルモントがシャンゼリゼ大通りをあるくシーン、「ローマの休日」のスクーターに乗ったペプバーン、「タイタニック」の船の舳先の二人のシーン・・・ヒットした映画にはそれとわかる名シーンがつきもののように思う。でも、個人的に何度も見たい名シーンのある映画もたくさん存在する。
 
 
「マドモワゼル・24時間の恋人」は地味ながら味わい深い映画の一つとしてお勧めしたい。
テーマとしては、「タイタニック」と同じく、一つの貴重な出会いがその人の人生を変える、といいうものだが、ネタバレしては面白くないので、詳細は省く。
 
先に書いた「赤いアモーレ」と同じく、違う世界の二人が出会う話。しかし、こちらの方が現実的な分、切なさは半端ではない。
世界が違う二人・・・この二人が惹かれあうのには、それぞれが、実際の自分の世界の周波数に合わせた受信機以外にもう一つの別の受信機を持っていて、それがお互い波長が合ってしまった場合に起こりうる現象かもしれない。別の受信機を持っているのは、願望によるものかも知れないし、幼いころの経験かもしれないし、血族に流れる何かかも知れない。
 
それはさておき、この映画で私が何度見ても 幸せな気持ちになるシーンがある。
主人公のサンドリーヌ・ボネールがジャック・ガンブランの運転するバイクに乗って夜の工場地帯の何でもない道を、地元の少年たちと一緒に走るシーンだ。片手にはガンブランに持ってきたサンドウィッチの皿を持って。30代後半の有能な製薬会社の営業ウーマンで人妻の女性とイタリア系移民の即興劇の俳優が、10代の少年少女のように風をきって走る、それはそれは素敵なシーンなのだ。何者でもない自分を分かち合う二人、こんな関係をこれからどれだけ持てるだろうか、と自問したくなるそんな場面なのだ。
私の中では間違いなくベスト10に入る名シーン。

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