2013年1月25日金曜日

水辺の風景 / 京都市・夷川発電所貯水池



 
何でもない風景が好き。
夜の児童公園の遊具、住宅地の用水路、湖に拡がる水面と鴨たち、千切れ雲いっぱいの空、田舎の畑の脇に植えられた燃え立つカンナ、あぜ道に生えているミカンなどの果樹と小さなベンチ、そして、あらゆる水辺の風景。
 
いつの頃からか、水のある景色にとても惹かれるようになった。
海・湖はもちろん、神社のお手水、プール、用水路のような川・・・
 
京都は鴨川がゆったりと流れていて、オアシスとなっているけれども、蹴上の人工用水や、その流れに位置する丸太町に近い夷川の貯水池は独特の雰囲気のある場所で胸騒ぎに近い感動がある。
夷川貯水池は平安神宮や美術館の裏手を行くと、忽然と姿を現す。
初めて見たときは、真夜中だったせいかキツネにつままれた感じだった。
月明かりの中でみた貯水池は、街中とは思えない水量と、明治時代の治水が一大事業だったことを偲ばせる立派なレンガ造りの建物を携えていて、圧倒的な不思議感だった。
 
この手合いの治水事業は明治の初めに活発に行われた。
山を越えて、滋賀県大津市の三井寺から疎水は流れてきていて、そちらも素晴らしいレンガ作りのトンネルなどが当時のままの姿で残っている。
 
自然そのままの水の姿も素晴らしいけれど、人が水を手にして、生活に役立てたり、親しんだり、水と人の手の温もりがある景色が愛おしい。
 
 
 


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