2013年1月5日土曜日

プリンセス×プリンセス

彼女たちが現役だったころ、別にファンだったわけではなく、数ある人気J-POPグループの一つで、何曲かの歌を知っていたに過ぎない存在だったので、再結成と聞いても大した感慨はなかった。ほっぺたがプニプニの奥居香は少しだけホッソリした頬になり、他のメンバーは皆、それぞれに一般人になり、年齢を重ねたんだな、という程度の気持ちで見ていた。
 
何かのドキュメンタリー番組で再結成までの軌跡をやっていたのだけど、毎週数回、子供が学校から帰るまでの時間集まり、練習を重ねたのだそうだ。
 
久しぶりに聞く「ダイアモンド」はとてもしんどかった。
ブランクというものの大きさ、オーラの鮮度というものについて考えさせられる、そんな演奏だったのだ。
 
そもそも事の発端は東北の震災。
あれを体験して、自分たちに出来る励ましを・・・と考え、一年の練習を経て表舞台に上がってきた。別にそれはそれで良いことだと思うし、多くのプリプリのファンはきっととても勇気づけられたと思う。しかし、ファンでもない人間には「キツイなぁ~」という感想しか持てなかったのだ。
 
 
しかし12月に入ってからのプリプリは、完全に勘を取り戻した。奥居香の目線も、ちゃんとパフォーマーのそれだったし、一歩下がっていたようなメンバーが皆、ぐっと輪郭がしまって輝いていた。
少し声のトーンは下がったけれども(女性は加齢により声のトーンが下がり、男性は上がる)
歌の歌詞が、若いころのプリプリには出せなかった現実味と切実感があって、思わず涙ぐんでしまったのだ。
震災から復興するというメッセージと、ブランクを乗り越え昔よりも良いパフォーマンスを実現するというプリプリの姿に感動したのだ。
 
紅白で再結成にも別れを告げた彼女たち。ダイアモンドは日常にあるという、青い鳥のようなメッセージを残して去ったけれども、音楽シーンのトップで仕事をしてきた彼女たちは「期間限定」という枠を外して仕事をするには人生の優先順位が許さない事情があるのだと思う。残念だけれども、仕方ない。
2012年版の「ダイアモンド」を聞かせてくれてありがとう・・と言うほかない。
 
それにしても、だ。気になるのがそのテの音楽番組に、いつも飄々と出てくる森高千里。
復活も期間限定もなく、上手くも下手でもない歌をヒラリと歌って去っていく。
このしぶとさが、私にはツボだ。
メンタリティーの強さに恐れ入る森高千里、最強だな。

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